妊娠待ち時間を測るための研究デザインについて、研究者向けのお話です。
妊娠待ち時間は文字通り、避妊をやめてから妊娠するまでの期間の長さを指します。でも測るのは意外と難しいのです。

いざ子どもがほしい!と思って避妊をやめてからすぐに妊娠する方もいれば、何年も待つ方もいます。また何年か後に妊娠する方もいれば妊娠しない方もいます。ある集団の平均的な妊娠待ち時間を知りたい場合には、妊娠しなかった方の妊娠待ち時間を考慮するか否かで結果がかなり違ってきます。

例えば、妊婦を対象にして妊娠待ち時間をたずねた場合は、対象者が全員妊娠に至っているので妊娠待ち時間が短くなります。一方、妊娠を望んで避妊をやめた女性を対象にすると、妊娠しない女性も含まれるので、全体としてみると妊娠待ち時間が長くなります。まだ妊娠していない女性については、避妊をやめてから調査時点までの期間の長さが「右側打ち切りの妊娠待ち時間」となります。

私たちが日本の女性を対象として実施した調査(参照:年齢と妊娠待ち時間)によると、右側打ち切りの妊娠待ち時間について考慮すると、20歳代半ば以降、年齢が上がると妊娠待ち時間が長くなる傾向がみられました。しかし打ち切りの妊娠待ち時間を考慮しなかった場合には、年齢による妊娠待ち時間の違いはあまりみられませんでした。つまり、妊娠に至った人のみを対象にすると、妊娠待ち時間は年齢であまり変わらないということです。

ですのでカップルが実際に避妊をやめてからどのくらいで妊娠に至るかを知りたい場合には、妊娠に至らなった人についても妊娠待ち時間の情報を収集することが必要です。

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