妊娠待ち時間の長い母親は自然早産をしやすいという結果が、私たちの調査から得られました。

日本の初産婦(第1子を出産した女性)4208人を対象としてインターネット調査を実施した結果、妊娠待ち時間(=受胎待ち時間)の短い母親と比較して、妊娠待ち時間の長い母親は自然早産を経験しやすい傾向があることを報告しました。

カップルが避妊をやめてから妊娠するまでにかかる期間を「妊娠待ち時間」(英語ではtime to pregnancy (TTP)あるいはtime to conception)とよびます。本研究では妊娠待ち時間が長かった母親は、短かった母親よりも、より自然早産を経験しやすい傾向がみられました。このことは、自然早産と長い妊娠待ち時間の間に共通のリスク要因があることを示唆しています。

「日本の初産婦における受胎の遅れと自然早産および人工早産との関連について」
小西祥子、佐方奏夜子、渡辺知保、クリス・フックシェン・ング
日本健康学会誌84:117-128 full text

【論文抄録】
目的:受胎待ち時間が自然早産あるいは人工早産と関連するか否かを分析する。
方法:日本国内に居住する第1子が単胎児である20-44歳の経産婦を対象として、横断調査を実施した。受胎待ち時間や生殖補助医療の利用を含む出産歴についての情報を、インターネット調査によって収集した。入院時に母親がすでに陣痛あるいは破水をみていた場合に自然分娩と定義した。多項ロジスティック回帰分析を用いて潜在的交絡因子の影響を調整したうえで、34週および37週未満の自然および人工早産のオッズ比と95%信頼区間を推定した。
結果:分析に用いたサンプルは初産で単胎児を出産した4208人の母親である。年齢、生殖補助医療の利用、その他の潜在的交絡因子を調整後も、受胎待ち時間が12か月以上だった女性は6か月未満の女性と比較して、34週未満の自然早産について高いオッズ比(4.55, 95%信頼区間 1.10-18.77)を示した。しかし37週未満の自然早産についてはオッズ比1.07(95%信頼区間 0.65-1.75)であった。受胎待ち時間がわからないと回答した女性は、受胎待ち時間6か月未満の女性と比較して、34週未満および37週未満の自然早産のオッズ比(各3.67, 95%信頼区間 1.02-13.19;1.38, 95%信頼区間 0.98-1.96)が高かった。受胎待ち時間と人工早産の間には関連がみられなかった。
結論:受胎待ち時間の短い母親と比較して、受胎待ち時間の長い母親は自然早産を経験しやすい。

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